絶対悲観主義

楠木 建さんの最新刊です。というか、これまで全然知らなかった方で、もちろん著書に接するのも始めて。取っている新聞の広告で<心配するな、きっとうまくいかないから>というキャッチコピーを見て、アマゾンでポチッとしたのです。

同じくキャッチコピーに書いてある、GRIT無用とかレジリエンス不要なんて言葉を見ると、随分怠惰なふらふらした私みたいな人か?と一瞬思わせます。ところが怠惰なもの同士傷をなめ合おうと思って読み始めると、全然違う(-_-;)。むしろ洞察力にとても優れた、しっかりと物事を成し遂げている方でした。かの有名な一橋ビジネススクールの教授です。

デジタル化、AIの話がリモートワークの章にありました。例えば患者は診断力とか治療方法に精通している医者ではなくて、自分の思いや、不安や、状況を理解してくれる医者から直接助言を受けたいと思うもの。診断治療法選択はAIに任せて、患者の思いをしっかりくみ取る能力こそが医者に求められるし、受験の合否判定でもそんなこと(人間性?)が重視される時代がいつかは来るのかもしれません(私見入ってます(^^;))。

時間とお金の章では、時間はお金と違って貯蔵性もないし、買うこともできないけれども、逆に生きているだけでだれでも調達コストなしで一日24時間を取得できるという視点を持つことの重要性も記載されていた。

ともかく、少し力を抜きながら<なるほど>の連発で読んだ、とても有用な一冊でした。

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