lifenoteのbooksに書いたミレニアムIに続いて、II、IIIを今日読み終わりました。
I(ドラゴンタトゥーの女)も面白かったけど、II(火と戯れる女)、III(眠れる女と狂卓の騎士)はそれに劣らず(それ以上かな)面白かったのです。
IIIの後書きで池上冬樹さんが、いやあ、すごいすごい。実に読ませる……と書いていますが、まったく同感です。世界でヒットした理由がわかります。
I~III,それそれ上下巻で計2800ページぐらいあるのかな。久々に寝不足にもさせられた本でした。
引きつけられた理由は何だろう。
まずはもちろん内容だな。主人公と言えるリスベットとミカエルにはどんどん感情移入しちゃう。どんどん展開していくストーリー、その中で揺るがない彼らの内面の描写、ハラハラもあるけど万能感も爽快感も与えてくれる、そんなエンターテインメント的な要素は申し分ありません。ストーリーの中でリスベットの本質を見極め彼女を応援する何人かの男性が登場するけれど、読者としての私もその一人になっちゃいました。
訳も非常に優れているように思いました。(これまで訳がいやで途中で辞めた本、多数^^;)翻訳物にありがちな直訳的で回りくどい言い回しはなく、実に素直に心に入ってきました。スウェーデン人の長たらしいカタカナ名前が次々出てきて大変だったけれど、訳が本当にこなれていたので全然苦痛無く読めたんです。どこかに書いてあったように思いますが、訳者はかなりがんばったと感じました。
作者のスティーグラーソンさんは亡くなり、これからのリスベットの活躍(?)をみることも彼女を応援することも出来ないのは心底残念ですが、IIIの最後で私はホッともしているので大丈夫かな。
ああ、でもスティーグラーソンさんのストーリーテラーとしての腕前を他の作品でもっともっと味わいたかったなあ。